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 家無き親

 祐次は、毛布を取り替えるために魔の山に向かった。
 昨夕、電気毛布が、直接親に当たっていたが、

 毛布が下で、電気毛布が上であるべきだ。

 汚れの理由で毛布を洗濯する予定とした。

 毛布の控えは洗濯紐に掛かったままだったので、透明のゴミ袋に入れていった。

 イチゴを2個切り分け、イチゴジャムを添えた。

 シシャモの唐揚げを1尾、切り身を刻み

 油分も除去された。

 ペーパーにおき直し、さらに吸い取った。

 後から考えると、魚自体の脂身が流れ出たのかも知れず、あながち、てんぷら油が多く吸収されていたとは言えないかも知れない。

 コロッケも少し切り取って添えた。

 スーパーの惣菜部に勤務しているわけではなく、

 祐次はただスーパーに買いに行く人だった。

 施設の待遇が施設の雰囲気に反映される。

 特養では暴力が横行していた。

 クライアントが不満を持っているのだ。


 待遇とは根本において施設のトップをはじめとして、ケアまね、ケアスタッフの人間誠意:人間性にほかならない。

 いくら環境が良くても、それを生かそうともしない。

  自然環境は良くても、地の利があっても、

 所詮 人間の不備には勝てないのだった。


 それを思い出しながら、祐次は吉野家で牛丼を食いながら、

 お粥と普通の御飯を考えていた。

 入所時一度むせってしまったことを理由に、

 お粥にされてしまった。

 おかゆが消化吸収に優れるかどうか、

 それは疑問だ。なぜ日本人は毎日、おかゆを食べずに、普通の御飯を食べているのか。

 高齢者でも同じなんではないか。


 理不尽で、暴力的な施設だった。

 最後の砦 特用とは皆ああなってしまうのだろうか。

 祐次は、厚生労働省に所属する国民だ。

 国民はすべて、いずれかの省庁に所属することが、この国の直接民主主義であった。

 アンケートの結果が郵送されてきた。

 良いが多く、普通が少なく、

 悪いは皆無だった。

 あの特養でやったら、悪いが突出しただろう。だから、

 アンケートをやるはずが無い。

 今回、祐次は、アンケートに協力しなかった。
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