収縮 Cafe 2011年08月20日 死んだセミの眼はすっかり白くなり、昔日の表情は失われた。触角が折れたのも乏しさになった。体躯は捻じれたまま硬直したので幾分の曲がりが有る。 しかし蝉君は空を飛んでみた。 肩をそっと二本の指に挟んで空を飛ばした次郎の脳裏に、白い大きな眼の蝉君のイメージが形成される。 PR