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電話療法

 3時に早く寝た。このごろ朝になってから寝ていた。珍しく9時に起きた。

 奇跡的な晴れ間を縫って、魔の山に行ってこれた。

 午後4時 寒波が押し寄せてきているのだった。


 祐次は、魔の山から電話を掛け、親美也子が本家の当主である姪の佐和子に新年の年賀状のお礼を述べた。美也子は

 特に話す事柄はなかった。耳が悪いので一方的に挨拶した。

  
  電話を掛けることで、施設生活の張りが出るだろうか、テレホンカードは便利なものである。

  携帯を持っていたほうが良いのだろうか。

 扱えないだろうが。
 
 祐次は介護論的電話戦略を考えている。
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墓石は雪に埋まるであろう

 美也子への年賀状は只一枚 佐和子からだった。

夕方になって雪は 小降りから本降りになっている。
元日の濡れ雪はいや増し 屋根の積雪がこの冬どのようなサンカに至るか、雨だれの音はしていたし、早くも 独りでにこけている。

 長男の洋市は、施設から遠くに住んでいる。たまに出向いてくる。

 親の美也子は、死んでこの長男が守る墓すなわち嫁ぎ先の誉田家の墓所に入りたくない。

 実家の川上家のより広大な墓地に、父母とともに収まりたいと思っていた。

 ところが、川上家の当主である佐和子は、美也子のその願いを拒否した。

 昨年、子のない佐和子と親戚の藤堂家の間で、養子縁組があった。藤堂浩が次期当主となる。

  そこで、浩の親である藤堂誠、養子縁組を画策した当の張本人であるが、こちらに話を持ちかけて、親の墓を頼んでみることが良いと、祐次は洋市に交渉を提案することを思い至った。

 それは、親が死んでからではなく、親に、行き着くサキを得た、生きている安心感として元気をもたらすだろう。
 そう思った。

墓石は雪に埋まるであろう

 美也子への年賀状は只一枚 佐和子からだった。

夕方になって雪は 小降りから本降りになっている。
元日の濡れ雪はいや増し 屋根の積雪がこの冬どのようなサンカに至るか、雨だれの音はしていたし、早くも 独りでにこけている。

 長男の洋市は、施設から遠くに住んでいる。たまに出向いてくる。

 親の美也子は、死んでこの長男が守る墓すなわち嫁ぎ先の誉田家の墓所に入りたくない。

 実家の川上家のより広大な墓地に、父母とともに収まりたいと思っていた。

 ところが、川上家の当主である佐和子は、美也子のその願いを拒否した。

 昨年、子のない佐和子と親戚の藤堂家の間で、養子縁組があった。藤堂浩が次期当主となる。

  そこで、浩の親である藤堂誠、養子縁組を画策した当の張本人であるが、こちらに話を持ちかけて、親の墓を頼んでみることが良いと、祐次は洋市に交渉を提案することを思い至った。

 それは、親が死んでからではなく、親に、行き着くサキを得た、生きている安心感として元気をもたらすだろう。
 そう思った。

日本海上空にある低気圧が

北九州山陰北陸東北をはじめ雪を降らせた。

 盆地は完膚なきまでやられた。雪に覆われ

  魔の山に向かうことを断念した祐次である。

 天気予報を見ると、更に1っ週間、曇りと時々雪または一時雪が続く。


 24時間降り続いた雪はさすがに、小降りにはなっていた。

 この先雪は柔らかく、道路の上が融けて、交通に問題はなくなるだろう。祐次はそう読んだ。

 電話 電話したいときにできるように スタッフにテレホンカードを指示し、精神的に家族との連絡を保つことができるのではなかったかとアイディアが出た。

日本海上空にある低気圧が

北九州山陰北陸東北をはじめ雪を降らせた。

 盆地は完膚なきまでやられた。雪に覆われ

  魔の山に向かうことを断念した祐次である。

 天気予報を見ると、更に1っ週間、曇りと時々雪または一時雪が続く。


 24時間降り続いた雪はさすがに、小降りにはなっていた。

 この先雪は柔らかく、道路の上が融けて、交通に問題はなくなるだろう。祐次はそう読んだ。

 電話 電話したいときにできるように スタッフにテレホンカードを指示し、精神的に家族との連絡を保つことができるのではなかったかとアイディアが出た。